東光寺は市内今宿長徳院の三世天祐和尚を開山とする曹洞宗(禅宗)の寺院です。
中世の鎌倉末期ごろから、結城氏に禅宗が受け入れられ、結城地方の南一帯を治めたと思われる山川氏の中にも、同様に、禅宗が受容されたと推定される。その山川氏が、上山川の館から山川新宿に移り、明応8年(1499)十代山川朝貞が初代重光以来の先祖と父景貞の追福のために長徳院を建立したものとされている。その長徳院三世を開山と招いていることから、東光寺の建立は、禅宗の教線の拡大とともに、山川氏の影響(援助)を受けたことが考えられる。
当時に伝わる過去帳によれば、今から約520年前の文亀2年(1502)に、現在地より東方に少し離れた古屋敷の地に創建され、33年後の天文4年(1535)に今の地に移転再建されたと記される。
さらに、本堂正面に向かって左にある薬師堂は、天文13年(1544)に建立され、代々三家(大木村の池田兵庫、岩崎大学、吉川内膳)により護持されてきた。
右にある馬頭観音堂は、江戸末期に、今の埼玉県北川辺町から移築され今日に至っている。
また、東光寺本堂には本尊釈迦三尊像が二組鎮座するが、そのうち一つは、幕末の安政2年(1855)に焼失した山川新宿の万松寺の本尊だったものである。